特別支援学校は、小学部・中学部・高等部という３つの学校段階を合わせた学校です。一部の特別支援学校には幼稚部が設置されていますが、本校には小学部・中学部・高等部の３つの学部が設置されています。特に本校は、知的障害児のための教育を行うことに特化した学校です。

　富山大学教育学部の附属学校では、学生の教育実習を行うことを大きな目的としています。特別支援学校の教員免許を取得するために、学生たちはまず小学校での教育実習を体験した後で本校での教育実習を行います。

　附属学校の第２の目的は、地域の多くの学校の参考になるような教育内容・指導法を開発することです。本校は、早くから教育方法と学校環境を構造化するという取り組みを進めてきました。時間や場所の使い方をできるだけわかりやすく区切ったり、自分の気持ちや意志を視覚的な手掛かり（支援ツール）を使用して伝えたりするなど、現在多くの特別支援学校で行われている教育技術の開発に取り組んできました。今年からは、主体的・積極的にICT技術を使いこなせるようになるための教育プログラムの開発に取り組んでいます。教師によるICT技術の活用は少しずつ進んでいますが、児童生徒が積極的にICT技術に向き合うためには何が必要なのか、という研究はほとんどありません。幸いなことに、富山大学には特別支援教育や情報教育などの専門家がいます。私たちはこうした専門家の応援を得て、現代社会を見据えた新しい教育内容の開発に取り組んでいるところです。

　附属学校の第３の目的は、大学の研究に貢献することです。大学は教育機関であると同時に研究機関でもあります。大学の附属施設である本校は、大学の教員や学生のチームが行う研究に協力する、という使命を負っています。

　このような本校の特徴をぜひ多くの方にご理解いただきたいと思います。本校に入学されたお子さんに質の高い特別支援教育を提供しながら、社会の役に立つ教育人材の育成と研究活動を続けていく所存です。富山大学教育学部附属特別支援学校を、これからもどうか応援してください。